Category Archive: Management

Status Quo and Innovation

日本でもアメリカでも、安定を求める大多数の人たちと常にInnovationを追い求める少数の人たちがいます。アメリカだからInnovativeというわけではありません。アメリカも現状維持を頑なに固辞する人が大多数だと言って良いです。

海外進出や新規事業を始めるとき、組織としてInnovatorばかりを集めようとしても、絶対数がいないので無理があります。ではStatus Quoを求める人たちばかりで新規事業を計画実行させてうまくいくかというと、おそらく結果はでないのではと思います。最初からやる気があまりないと思います。

現状維持する現状のまだない人たちがいます。学校を卒業したばかりのまだ若い人たちです。彼らは社会に出たばかりで、維持するべき「現状」がまだないか、たいしてありません。新しいことだろうが、古いことだろうが、彼らにとっては新鮮なことなのです。

そういう若い世代中心によって、新規事業を進めるのも選択肢の一つと思います。相談役で勤務経験長い人を付かせたほうがいいと思いますが、新規事業が軌道に乗り始めたら、彼らのリーダーをグループ会社の社長に育てるくらいの気でやらせたほうがいいかもしれません。利益が出始めたら、年寄りがずけずけと入っていっては若い世代のやる気を削いでしまいます。

シリコンバレーでは若い世代自らが集まり、事業を始めるケースが非常に多く、そこにはStatus Quoはありません。また社員一人一人がInnovatorであることが要求されます。飽くなき現状打破は若い人たちの特権でもあります。せっかく働いてくれている若い世代がアメリカのように独立していってしまわないうちに、社内で新規事業プロジェクトチームを構成させ、会社の未来のためにがんばってもらいましょう。

Brian Moriguchi

現地法人で採用をする際に考えて貰いたいこと

こんなことを言うと失礼にあたると思いますが、日本ではつきあいや過去の経緯で出世できることがまだまだ多いようです。長期的な経営計画があるので人の評価も長くなる分、最初に見定めを誤ると、実は力のない人が、なぜか役員に居続けてしまうということが、間々あるようです。アメリカは四半期ごとに株主に評価されますので、こういうことはけして起きません。実力あっても追い出されることが珍しくありません。なんせ実力ある人だらけなので。力はあるけど、この会社には向かないねということです。

さて、問題は、実力のない方がアメリカ現地法人に出向されると、現地従業員との間で軋轢を作り出してしまうことです。更に問題なのは、軋轢を引き起こしているのにそれに気がつかないことです。実力にふさわしくない役職をもつと、人はカモフラージュに自慢話ばかりし始めるものです。聴いている方はすぐ見抜きます。アメリカ人にとって、このアメリカでお前は何ができるのかと、常に問いかけていますので、何もできねーな、こいつと思われたが最後、相手にしてくれません。そこによせばいいのに、上司風を吹こうものなら、一発でRespectを失い、世界一Sophisticatedなサボタージュの仕方でオペレーションを破壊されていくことになります。証拠を残すような馬鹿なことはアメリカ人は一切しません。気が済んで転職先が決まると、すべて円満に、馬鹿丁寧なことにその日本人に送別会でもしてもらって出て行くのです。

外国企業が現地法人で採用をするのは、大変難しいことです。優秀なアメリカ人が、まず外国企業、それもIT業界でIPOの可能性もない、世界的ブランドもない、アメリカの市場や業界で実績のないところのInterviewにすら、来ると思いますか。絶対にありません。いくら金を積んでも来ないのです。なぜなら実力のない会社で働いても実績など残せるわけがないのです。彼らは10年20年、同じ会社にいることを一切考えていません。長くても3-4年で報酬アップの転職を考えています。だから、いくら金がよくても実績にならないのですから、無駄なのです。どだい実績にできる結果がでないのですから。「いやいや、このレジュメ見てよ、すごい経歴の人が応募してきたよ・・・」中には、そういう人もいるかもしれません。

シリコンバレーでStart upで働いていたとき、途中、Sunsoft(Sun Mircrosysytemsのソフトウェア事業のグループ会社でJava LanguageやSolarisを開発したところ)の創業メンバーの一人というセールスの人が入ってきました。Senior Executive VPで彼のレジュメは綺羅星の如く素晴らしい実績が並んでいます。トークをさせたら、さすがと唸るほどのうまさでした。ところが彼が入社して一年ほど経った頃でしたでしょうか。いつのまにか、いません・・・・・創業者に近い社内の同僚に聴くと、なんと売り上げ200000ドルをねこばばしたそうです。自分の会社に受注を流し、会社に支払いをしなかったそうです。こうなると、IPOをめざしたいStart upは広報上訴えることもできません。それを狙った詐欺と思ってもいいです。彼の過去の実績はきっと途中までは本当だったのでしょう。しかし、何を間違えたのか、途中から中小企業やStart upを食い物にする化け物になってしまったのでしょう。当時社内システム管理アドミン(勉強のためにVolunteerでやってました)も兼任していたことから、社員の机周りで作業することが多かったのですが、一度経理担当の机の上に、彼の出張費清算書が置いてあり、彼のクレジットカードのコピーが添付されていました。何枚クレジットカードを持っているか知りませんが、一枚だけで借り入れ残高が4万ドルもあり、こいつ大丈夫かなと思ったことがありました。

・・・じゃ、どうしたらいいんだよ、脅かすようなことばかり言って、お前は・・・・

日本企業の現地法人にどんなアメリカ人が働きたいと思うでしょうか。きっと最初は日系アメリカ人ではないでしょうか。または、日本語が得意なアメリカ人でしょう。そして在米日本人や留学生でこれからアメリカで就職したい学生でしょう。管理者候補採用し、Job Interviewと採用してから3ヶ月以内に、本当にPotentialがあるかを徹底して見極めましょう。なければ解雇しなければなりません。実績はないが優秀とみなされた彼らと「仲間」という意識がもてる若い世代(同じ世代)に任せてはどうでしょうか。思い切ってアメリカ現地法人には、20代から30前後くらいの出向者と現地採用で固めてしまうのです。現地法人代表として年配の方を出向させるのもいいですが、現場は若い人たちに任せて、上下関係なしで「仲間」作りをしながら一から組織を作り上げていくことだと思います。英語でCompanyはもともとは「仲間」という意味です。日本の上下関係を持ち込んでしまっては、アメリカではうまくいきません。これはお客様や業者との関係も同じです。アメリカの人間関係には、「敵」か「味方」しかなく、彼らの考え方はあくまで二元論でしかありません。味方でなければ、すべて敵になります。敵でなくても敵になります。「仲間」かどうかという認識をさせるのは、それほど大切なことです。

 

 

Brian Moriguchi

せめて三年先のために今何するか計画しましょう。

大企業ともなると10年後20年後を見据えた計画を立てたりするところもありますが、中小企業といえども、「せめて」三年後に何を実現したいか目標を立て、そのために今何をしているべきかという計画を作りたいものです。今月、来月の資金繰りに精一杯というのは、今月・来月のことくらいしか考えてないからそうなってしまうのではないでしょうか。調子のいいときに今月来月安心だからと飲み屋の姐ちゃんに金貢いだりしてると、景気悪くなるとすぐ傾いてしまうということが中小企業にはよくあります。そもそも計画性がないので業界や市場の変化を見ていないだろうし、会社自体の方向性・舵取りができていないだろうし、ということはどんな人材が必要になるかも考えていないので、利益のでる組織作りや人材教育もしていないし、自分自身も勉強をしていないのでしょう。お客様との「おつきあい」がうまく行っている間は注文も来るでしょうが、お客様もつきあいだけで商売やるわけにいきません。やがて価格がねぇ・・・・ということを言われたときに、いやいや品質がと言い返そうとしても、時遅しになっているのです。お客様が価格がねぇと言い出したときは、あなたの会社が既に時代遅れになっているよということです。本当は価格が問題なのではなく、時代に取り残され、不要なサービスや商品を提供し続けてしまっているのです。不要なサービスや商品の品質をいくら高めようとしても無駄なことです。

では、世の中の動きが速くなっている現代、とくにIT業界・市場で、三年後にあたることなんてどうやってわかると言うんだいと、怠け者の経営者は言うかもしれませんが、起業されたときのことを思い出してください。業界紙ニュースや本を読んだだけとか、頭の中だけで考えて今の事業を始めようとしたわけではわりませんよね。既に、これをやってくれと頼まれたことがあったはずです。三年後に市場で流行始まることなら、もう既に業界・市場にその兆候が現れており、需要が出始めているはずです。ただ、事業としてまともになるには最低三年はかかるということです。お客様とお付き合いする中で、どこのキャバクラのお姐ちゃんが口説きやすいとかの話だけじゃなく、お客様の社内や部内でどんな新しいことを試そうとしているか探り出しておかないと、おつきあいする価値が半減します。おつきあいするときは、若い世代で新しいことにやる気のある担当の人と上手につきあうのも大切です。3年後には新規プロジェクトの現場リーダーになっているかもしれません。業界にCloud技術が出始めたとき、まっさきに飛びついたのは部課長ではありません。おそらく入ったばかりの20代の人たちだったでしょう。その人たちがいま30代になり現場リーダーになった今、どこもかしこもCloudです。じゃぁ、次は何?う~ん、どうでしょ、ビジネスでのMobileの利用が本格化するのではないでしょうか。Cloudなんて当たり前だよという、お客様のIT部門の二十代の人たちを飯や酒に連れて行って、次は何と訊いて見ましょう。起業したとき、最初に仕事を頼んだあなたのお客さんも、あなたも、若かったのではないですか。若い人たちが未来なのです。彼らに一緒に未来に連れて行ってもらいましょう。

Brian Moriguchi

仕事への集中力

仕事が捗りミスなく作業品質を維持できるかどうかは、一人一人の集中力が重要な鍵を握ることは誰でもご存知だと思います。ただ、この集中力を持つということ、なかなかできそうでできません。

自分の趣味に没頭する瞬間や、大好きな食べ物を食べている瞬間、大好きな異性を目の前にしている時や、大好きなスポーツやドラマを観ている時、人はこれ以上ない集中力を持ち、ひとかけらの感覚も失わないように一点に集中します。誰でも最高の集中力は持っているのでそれ以上集中力を高めることなどできないし集中力を高めるために修行をする必要もないのです。問題は、持っているはずの集中力が発揮できないときがどういう状況かということです。集中力を妨げるものを分析したことがあるでしょうか。

  • 対象物に興味関心が持てない。

興味とは何でしょうか。おもしろみ味を興すことではないでしょうか。誰が?あなた以外におりません。アメリカ南部のファーストフードチェーンで働く黒人のおじさんが、最低賃金で毎日ゴミ捨て場と駐車場をピッカピカに掃除をしています。彼は言います。「お金じゃないんだよ、こうやって毎日汚れたところを綺麗にしていくのが楽しいんだよ。」僕はギターを弾きますが、プロの曲をコピーするとき、いわゆるCheat Sheetというあんちょこを見ながらプロと同じように弾けるように練習する人が多いです。この人たちは、ギターを弾く楽しみの半分以上を既に自ら捨ててしまっています。そんな練習の仕方が楽しいわけありません。ちょっとやってみて、なんだ簡単じゃんとすぐ飽きてしまうに決まっています。自分の耳で音を探り、細かい微妙な振動の違いまで聞き分けて自分の指でプロの音を再現していってみる、そこに本来のギターの練習の楽しみがあると僕は思います。興味というのは自分で面白み味を興すことに他ならないと僕は信じます。関心とは何でしょうか。心に関わると書きますが、関わらせるということではないでしょうか。「関心を持つ」というのは、自ら対象物を自分の心に関わらせることだと思います。物のほうから自分の心に訴えかけるなんて事は起こりえません。物には意志がないはずです。意志があるのは自分だけではないでしょうか。単純作業だし地味だし面倒臭いし、こんな仕事に興味も関心も起こるかよ~とお嘆きの皆さん。じゃ、複雑で派手で楽な仕事があったとしてそれを与えたら見事にやってのけられるのでしょうか。できなかったらどうされます?MLBの選手は毎日毎日、試合前に何時間も練習します。一日ゲームでせいぜい3時間だけ運動すればいいんだろ、しかも攻撃守備の交代があるからベンチに座っていられるし・・・と思っている方がいたとしたら、あなたはプロの世界を知りません。きっと自分の仕事でもプロではないでしょう。どの分野でも砂を噛む様な反復作業や練習を繰り返し応用力をつけるための基礎技術を磨くのです。それはMLBの選手が試合前に毎日行う、基礎体力運動や自分の弱点である外角低めの変化球を打ちこなすために延々と続けるバッティング練習のようなものです。プロはそこに自ら「意義」を見出し、改良していく「面白味」を作り上げ、まさに「その一瞬一瞬に集中する」のです。集中力は誰でも持っているのです。夏の暑い日に目の前を通るミニスカの女性の脚に、あなたはこれ以上ない集中力を寄せているのです。持っているではないですか・・・・持っているものを使わないのはあなたです。

  • 余計なことを考えたり、妄想したり、感情が起こり不安になったり怒りが生じたりあせったりしてしまう。

我々の脳は実に不思議な動きをします。感覚・論理・感情といった領域があるらしく、特に論理が常に感情に負けています。生存本能によるものなのでしょうか。食べる、寝る、休む、享楽に耽る、性行為をする等の生存に直接関わることをいつも優先させようと、生存本能にとっては余計な論理を抑えつけ肉体をコントロールしようとします。我々の仕事のほとんどが、直接には肉体の生存本能に関わることにはならなくなってしまったので、脳には我々の仕事の重要性が理解できないのです。したがって脳内の感情の部分が論理部分を騙し、抑えつけ、邪魔をしようと常に企むわけです。我々が感情に訴えない仕事をしようとすると、集中力を妨げようと様々な邪魔をしてきます。昨日し忘れてしまったこと、さっき同僚に言われた気になる一言、昔別れた彼女のこと、今朝自分の車の前を走っていたランボルギーニを運転していたやつのこと、自分の給料のこと、老後の心配、好きでもない曲のメロディー、おもしろくもないギャグのフレーズ・・・・・我々の脳は、感情は、集中力を妨げようとあらゆるジャンクを放り投げてきて我々を消耗させようとします。「そんなつまらない仕事なんかやめて、遊べよ~、どうせそんなこと一生懸命やったって、無駄さ、後悔するだけだよ、また惨めな気持ちになるだけだろ?」そんなEvilな囁きをあなたにし続けます。「お前が今機嫌が悪くなってるのは、あいつのせいだと思わないか・・・・恨めよ、憎めよ、お前のせいじゃないんだよ、他人のせいなんだよ」これも自己防衛本能から来るものです。他人のせいにして結果が出ない自己を責める心理ストレスを怒りや憎悪に凝固させようとします。一旦固めたらなかなか溶かせません!こうなったら集中力どころではありません。もし、俺はライバルのあいつに何が何でも勝つんだという、集中する目的を建設的な絶対価値にまで昇華できるならいいのですが、それには結構高い精神性が必要とされます。大抵の人は僻んだり、妬んだりするレベルから脱却できず、自滅してしまいます。あ~、ではどうしたらいいんですか、おにいさん(らっすんご~れらい、らっすんご~・・・・やめてくれ~)?

ライバルに勝つため!という絶対価値を持てる人はいいのですが、競い合うライバルってなかなか見つからないものです。企業間でも比較が非常にしにくくなっていますし、売り上げやマーケットシェアの数字が公表されないことも多く、何を持って比較するかわかりずらくなってきています。やはり相手もこちらをライバルと思ってくれないと、なかなか本気にはなれません。ではどうしたらいいでしょうか。感情をシャットダウンできるよう訓練するしかありません。妄想や不安、怒り、憎しみ、悲しみ、あせり、羞恥心、恐れ、猜疑心といった感情はすべて脳が生存本能からでっちあげた虚構のものです。すべてはあなたの論理を騙そうとするトリックにすぎません。感情を持つ隙を見せると途端に、我々の脳は我々の論理に襲い掛かってくるのです。感情を一切持たない訓練をする、これが日本伝統の「無」になる境地です。別に座禅組む必要はありません。自分で自分に「無」、「無」、「無」と言い続けてみてください。頭の中で、「無」という漢字を習字のときのように一画ずつ丁寧に書いてみてください。ただ、これをアメリカ人にやらせようとしても無理です。日本の禅思想なんてわかるわけありません。替わりに彼らには、”Cause and Effect”と自分に言い聞かせよと、Pragmatismな方法で理解させないとだめです。「無」といっても、はぁ~としか思えない日本人の方は、替わりにこの”Cause and Effect”と自分に言い聞かせることを試してみてください。今していることの良し悪しが、結果の良し悪しに直結するのだと、至極簡単で当然の真理です。今、不安になって仕事に手がつかないことが、果たして良い結果をもたらすのでしょうか。今目の前の作業にミスのないよう集中することが、良いことであり、良い結果に結びつくことであるのは明白です。替わりに不安になり、いつまでも作業を進めないと、必然的に悪い結果に苦しむことになります。もっと苦しみたいのですか、それとも楽しみたいのですか?

  • 集中力が長続きしない。

無になれとかCause and Effectを考えろとか言われても、長続きしないよ~、すぐ集中力が途絶え、くだらないWebサイトをBrowseしたりYou tubeだら見したり、Gameに没頭しちゃったり・・・・助けてください、救いを~という方がたくさんおられます。僕もその一人です。集中力が長続きしないのは、まだまだそれだけあたなの脳が感情をもとうとする力が勝っているからに他なりません。無になる力がまだひ弱なのです。しかし、ひ弱でも、一瞬の馬鹿力はでるものです。何時間も集中力を保つぞなんて実力以上のことをしようとするから、惨敗するのです。あなたの集中力が3分しかもたないなら、3分ごとの勝負をしてみてください。PCやスマフォのタイマーで3分づつ測ってみましょう。タイマーのアラームが鳴ったらこう言い聞かせてください。今の三分勝ったかな?その繰り返しで徐々に集中力を持続する時間を長くしていくしかありません。3分は持続できますよね、誰でも。カップ麺できあがるの待つ間です。ウルトラマンが怪獣と戦っている間です、3分ごとの感情という怪獣への勝利があなたをスーパーヒーローに育てていくことでしょう。

Brian Moriguchi

日本企業の北米拠点管理法

日本企業が北米でオペレーション拠点を構築するとき、方法は二つあります。①あくまで人を使い捨てにするアメリカ方式に徹するか、僕が任せられているお客様の現地法人のように②日本式組織構築にこだわるかです。①と②の中間や折衷案はありません。絶対にうまくいきません。折り合いがつくところとか、共通項がまったくないからです。

①のやり方は、常に顧客や業者ばかりでなく、従業員やパートナーですら信用できない、非常に過酷な世界です。いつ自分が誰から銃撃されるかわからない、Wild Westな世界です。お互いSmileしながら実は銃を突きつけあっているのです。日本で生まれ育った人や、日系コミュニティで育った日系アメリカ人には、しんどい世界で長続きしないでしょう。この心理的ストレスや一瞬先は闇で瞬時の判断と行動が要求される世界では、Powerしか頼るものはありません。小手先で工夫するとか、コンセンサスを作って説得するなどそんな暇も悠長なことも言ってられないのです。いざとなったら、チーム全体を突如解雇してアウトソースするとか、新規大量採用するとかしないといけません。訴訟になったら弁護士に任せる資金力も必要です。そうしないと会社の事業も自分も守ることもできないのです。

②のやり方は、60年代からほぼすべての日系企業現地法人が試み失敗してきたやり方です。日本のやり方をアメリカ人従業員に教育しようとしてもうまくいった例はありませんでした。既に従業員がいるところでは、無理です。組織ができあがっているということは既に価値観やNormが決まっているということです。そこにまさしくForeignな、海の遥かかなたの侍と芸者の国のやり方をやってみろといっても、無理です。無理なんです。

ゼロからの段階的な組織作りが決め手になります。日本式の作業のあり方・組織のあり方を理論化できる人がまず必要です。日本から実際に作業法を教える人に来てもらい、最初に教えられる現地従業員は日本語バイリンガルでなければなりません。日系アメリカ人で日本の価値観もわかる人が理想です。できれば日本から来た在米日本人とコンビを組ませるとなおいいと思います。日本から来た日本人の指導者・在米日本人・日系アメリカ人と、日本の価値観→アメリカンになった日本的価値観→日本的なアメリカの価値観というように、生い立ちによってその作業法の理解と習熟を段階的に行うべきと思います。その過程で解釈の仕方が調整されていきます。いきなり日本から来た指導員がアメリカの価値観しか持たない人に日本式を教えようとしてもその下地がないのですからうまくいくわけがありません。少しずつ価値観の変化に伴って解釈の仕方を調整させていけば、やがてアメリカの価値観しか持たない人でも日本式のメリットがわかるように説明がつくはずです。ただ日本の人はマニュアル化したり説明することに慣れていないし、基本できないので(俺の背中を見ろ・・・・)、これは説明が必要だと思ったら気軽にデータベース化やKnowledge Base化できるツールとその実施をするプロセスを作り上げないと、長期的な組織作りができなくなります。また指導する側も教わる側も、解釈に注意を要する点について言葉で説明する訓練をしないといけません。新しい新人にまた同じことを教える必要があるからです。また、毎日のように日本式集団体制のメリットと社会貢献を訴え続ける必要があります。アメリカ式の作業の仕方に慣れた人たちにとって、日本式の細かく、時間や様式に厳しい作業手順通りにこなすというのは、苦痛以外の何物でもありません。それをやりがいのあることに感じさせるには、毎日のように彼らの感性とロジックに訴え、価値観を調整してもらうしかないのです。

Brian Moriguchi